出て行けというのなら… (永守重信氏の経営者ブログ)
電機、自動車、造船などの産業では、韓国をはじめとする
アジア各国の企業と苦しい戦いを強いられている。
日本の法人税率はアジア各国より20%ほど高く、
さらに為替が円高のため、日本でつくると原価が30%ほど高くなるようなものだ。
20%以下の違いなら経営努力で何とか埋められるが、
30%以上も違ってくるときびしい。これほどのハンデを背負わされていては、
厳しいグローバル競争では生き残れない。日本から出て行けと
言われているのと同じだ。
法人税率を下げれば、企業が元気になり、雇用が増え、
国の税収も増えるのに、日本は企業を弱体化させて、
雇用や税収を減らしている。
まさに悪循環だ。
民主党政権には、こうした状況を変えてくれると期待していた。
民主党政権になれば、もっと日本に工場を作れるし、
もっと日本で雇用を増やせると楽しみにしていた。
だから「民主党では駄目だ」と主張する妻と言い合いになりながらも、
昨年の衆院選では初めて民主党に投票した。そして多くの友人、知人にも民主党への投票を勧めた。
だが、民主党政権になっても、状況は改善するどころか労働規制の強化も加わり、期待は裏切られた。それならば、
生き残るためにはやむを得ない。堂々と日本から出て行く。
このほど中国に5000人規模の技術開発センター付の工場を建設
すると決めたのを皮切りに、これからも、どんどん海外に技術開発センターや工場をつくり、
海外での雇用を増やすしかない。
妻からは「だから民主党では駄目だと言ったでしょ」と責められ、肩身が狭い。
http://www.nikkei.com/artic le/DGXNASFK2401Z_U0A320C1000000/