https://www.sankei.com/affairs/news/191030/afr1910300054-n1.html
【千葉・福島豪雨】千葉・茂原の大型商業施設、11月3日に営業再開
25日の記録的な大雨で浸水被害を受けた千葉県茂原市で一時、約150人が孤立した大型商業施設「茂原ショッピングプラザアスモ」では30日、従業員らが11月3日の営業再開に向けて片付け作業に追われた。被害当日、1階部分はあっという間に浸水し、約60センチの高さまで水没。従業員らは水に漬かっていないパンや飲み物を集め、2階に避難した買い物客に配り、水が引く翌朝まで施設内でしのいだという。
大雨に見舞われた25日、市内を流れる一宮川が氾濫し、中心市街地が広範囲で冠水。生鮮食品などの店舗やレストラン、スポーツジムなどが入る2階建てのアスモは、午後4時に店舗の閉店を決めた。
周囲の水位が増し始めた午後3時ごろ、施設前の駐車場から屋上の駐車場に車を移動するよう、買い物客らにアナウンスで促したが、みるみるうちに水が浸入。アスモを運営する会社の麻生和男社長は「一瞬のことで、気が付いたら既に水没していた」と振り返る。
従業員約100人と買い物客約50人が2階に避難。従業員らは1階の生鮮食品売り場から水に漬かっていない飲食品を集めて2階に運び、備蓄していた毛布などとともに客らに配った。
翌朝、1階部分を確認すると壁などに約60センチの高さまで水が達した痕跡があり、少しでも水に漬かった食料品や衣類などの商品は廃棄せざるを得なかった。金曜日の25日は週末に備えて商品を多めに仕入れており、被害額は5千万〜6千万円に上るという。床下に電源を設置していたため、レジや冷蔵設備も使えない状態になった。電気系統を元に戻す費用も必要になる。
浄水タンクのポンプも故障し、断水の解消は11月1日になる見通し。水道の復旧を待って1、2日に施設内を清掃し、消毒作業は夜間実施する。当初は復旧に2週間ほどを見込んでいたが、一部店舗を除いて3日午前10時に営業を再開することを決めた。
麻生社長は「商品を捨てるのはつらく、胸が痛んだ」と表情を曇らせた一方、「みんなの協力で思ったより早く復旧できそうだ。これからもめげずに頑張っていきたい」と前を向いた。