固定化する格差社会、6割が悲観…
https://www.sankei.com/premium/news/161226/prm1612260008-n1.html
5人に1人が自身を「社会の最下層」と考え、国民の6割が「努力しても上の階層には上がれない」と考えている…。
「格差社会」のゆがみを如実に示すこの調査結果は、日本のものではない。
韓国統計庁が公表した報告書「韓国の社会動向2016」に記された、韓国社会の実情だ。
さらに、急性感染症の発生率は1960年代のレベルに急増、スマートフォン中毒の予備軍は4年間で倍増するなど、政府刊行物とは思えないほど悲観的なデータがめじろ押しである。
こんな“ディストピア(理想郷と正反対の社会)”が韓国の実相だとすれば、かの国の若者が「ヘル朝鮮」と自嘲するのも無理はない。
「土匙」と「金匙」…超格差社会浮き彫り
「小川から龍が出る」という韓国のことわざがある。日本でいう「トンビが鷹を生む」に近い意味の言葉だ。
「韓国の社会動向2016」の内容を報じた韓国の聯合ニュースや朝鮮日報は、そろって「国民10人のうち6人が、この言葉は不可能になった」と報じた。
報告書によると、努力を通じて、一生の間に個人の地位が高まる可能性について、肯定的な回答は約2割にとどまる一方、「比較的低い」「非常に低い」とする否定的な回答は62.2%にのぼったという。
通貨危機前の1994年には肯定的な回答が6割を超え、否定的な回答はわずか5%強だったが、20年あまりの間に逆転した形だ。
さらに、自分が「経済社会的に最下層に属する」と考えている人は、20年間で8ポイント増加し、20%になった。実に5人に1人が“底辺”だと認識している状態だ。
中間層だとの認識は53%にとどまる。
自分の子供が上の階層になれるか、という質問についても半数が否定的だ。
特に子育て世代の30代は6割が悲観的な見方を示した。
こうした一連の回答は、所得や家庭環境による二極化が進み、格差の固定化が進んだ韓国社会のゆがみを浮き彫りにしている。