採用面接で「利尿薬」を飲ませて“排尿行為を観察して記録” フランスのエリート高官を訴追
志望女性たちを自らのオフィスに迎え入れるとき、この男の策略はいつも同じだった。紅茶かコーヒーを勧め、いったん席を外し、手にカップをもって数分後に戻ってくる。こうして席を外しているあいだに、こっそりと利尿薬「フロセミド」を入れるのだ。
一部の被害者は、クリスティアン・Nが不審な行動をしていることにその場で気づいている。「彼は、ひざの上で携帯電話をいじっているような感じでした」。実際はというと、彼は机の下で女性の脚を盗撮していたのだ。
少し話をしたあと、彼は志望女性に「外に出て、この界隈を見学しに行かないか」と提案する。ルーヴル美術館や、ヴィクトワール広場や、テュイルリー宮殿のほうへ……。「文化省で働くなら、文化遺産のことをよく知っておかなくちゃいけないよ」。それが十字架へと向かう道なのだった。
ときには散歩が3時間以上もつづくこともあった。というのもそのうちに利尿薬が効き始め、計画がうまく軌道に乗るようになるからだ。実際クリスティアン・Nが選ぶルートは、被害女性を人目から遠ざけつつ、トイレがありそうなカフェや美術館から離れていくものだった。
「しばらくすると、強烈におしっこに行きたくなりました。私は彼に少し休憩させてほしいとお願いしました」と、カリーヌ(仮名)は振り返った。
すると、彼は彼女をセーヌ川岸のほうへと連れていったという。
「膀胱がパンパンに膨らんでいる気がしました。いまにも失神しそうでした。橋の下でズボンとパンツを下ろし、その場でおしっこをしました。そのあいだ、彼は私の前にコートを広げて隠してあげるような素振りをしながら、私の顔を見つめていました」
クリスティアン・NのExcelファイルには、カリーヌも知らぬうちにその「経験」が記録されていた。
「彼女はパンストとパンツ(黒)を下ろし始めた。〈中略〉そしてしゃがみ、放尿した。ものすごい勢いで、かなり長かった」
カリーヌはまさに失神寸前だったのだ──。
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