歌謡曲やシティポップといった1980年代の味わいを取り入れたJポップが人気を集めている。中高年のノスタルジーではなく、当時を全く知らない20代女性の傾倒が目を引く。
「80年代の曲を歌うことになってから、当時の『明星ヘアカタログ』を買ってきて、アイドルの髪形やファッションをよく研究しました。アイドルが自分の部屋とか、プライベートを平気で公開しているのはびっくりしたけれど」
親衛隊がコール
そうほほ笑むのは、4人組ダンス&ボーカルグループの東京女子流で活動する新井ひとみ(21)だ。2019年11月、83〜84年放送のテレビアニメ「魔法の天使クリィミーマミ」の主題歌「デリケートに好きして」をカバーして、ソロデビューした。
主人公のマミに倣ったフリルの衣装に身を包み、毛先に段差をつけた聖子ちゃんカットで「80年代アイドル風の現代アイドル」を体現する。
(省略)
生歌や歌詞に魅力
10年代、AKB48や乃木坂46といった集団でのダンスパフォーマンスを売り物にするグループが全盛期を迎えた。そんなトレンドに背を向け、じっくり生歌を聴かせたいと考える若い歌い手が台頭している。
「ソロデビューアルバムを録音したとき、バンドや弦楽器と一緒にスタジオで歌った感激が忘れられない。今は(コンピューターの)打ち込みが主流だけれど、生の楽器の伴奏は歌っていても全然違う」
松田聖子をきっかけに80年代に傾倒する武藤彩未(東京都渋谷区)
かつてグループアイドルのさくら学院で活動した武藤彩未(23)は14年にソロデビューし、80年代サウンドの再現をうたう。
一時休止していたが、自ら作詞した配信シングル「雨音(あまね)」を発表して再始動。19年12月のライブではワム!のヒット曲「ラスト・クリスマス」をカバーし、会場を沸かせた。新曲を収めたミニアルバム「MIRRORS」を3月4日に出す。
「最近の曲の歌詞はストレートだけれど、80年代は聴き手が想像する余地があった。私もそんな歌詞を書きたくて勉強中。自分のリアルな感情を歌うのではなく、フィクションの主人公になりきって演じるのが好き。生まれる時代を間違っちゃったかな」と笑う。
詳細はソース元で
松田聖子やワム!を再現 Jポップに80年代ブーム|エンタメ!|NIKKEI STYLE https://style.nikkei.com/article/DGXKZO5451259017012020BE0P00/