【炎上】「そもそも、純英国製のものなんてない!」と自国を嘲笑った英国営放送に非難が殺到
「紅茶はイギリス産ではありません」
2020年1月31日、ついにブレグジットが実現した。
この日、英放送局「BBC」系の子供向け動画チャンネル「CBBC」がブレグジットに絡めて、ある動画をツイッターに投稿した。「英国製のもの」と題した動画では、ヴィクトリア女王と執事に扮した男女がミュージカルを繰り広げる。だが、「英国製のもの……実はほぼ存在しない」と皮肉たっぷりの内容になっている。
たとえば、ヴィクトリア女王が宮殿らしき場所で「英国製の紅茶」を運ばせるのだが、そこで執事は「紅茶はイギリスのものではありません、マダム。インド産です。その一杯のために、何千もの人が戦いで命を落としました」と言う。大英帝国時代を象徴するヴィクトリア女王は、インド皇帝を兼任していた。
動画はこんな調子で続いていく。
ヴィクトリア 「じゃあ、お砂糖はイギリス産でしょう?」
執事 「いいえ、奴隷が育てたカリブ諸島のものです」
ヴィクトリア 「英国製のコットンのベスト」
執事 「コットンはアメリカで……」
ヴィクトリア 「それも奴隷が摘んだものなのね」
ヴィクトリア 「私も外国人の血が混ざっているし、夫はドイツ人。でも私には少なくともイギリスの名前があるわ」
執事 「『ヴィクトリア』はラテン語です」
動画は2009年に制作されたものだが、宣伝したのがブレグジット当日だったこともあり、ソーシャルメディアで炎上した。
国営放送のBBCが自国を嘲笑っている事実にも驚きだが、何より子供向けビデオだったことが多くの人の怒りを買ったようだ。大人のジョークならまだしも、「子供に向けて作るとはプロパガンダだ」というのである。
英紙「ガーディアン」によれば、テレビ司会者のピアース・モーガンは「どうしてBBCは、イギリスをこき下ろすようなひどい仕事に金を払っているんだ? とんでもない公金の悪用だ」とコメント。だが、BBCの広報は炎上に対し、動画はアンチ・イギリスを意図したものではないと冷静に反論した。
「ほかの国と同じように、私たちは伝統と文化の『つなぎ合わせ』を楽しんできた国家です。視聴者である子供たちは、その意図を理解してくれています」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200204-00000001-courrier-int