https://eetimes.jp/ee/articles/2002/03/news027.html
可視光波長域で作動する高速応答ダイオード開発
トンネル層と金属の間に自然酸化膜を形成
東北大学大学院工学研究科の松浦大輔氏(当時修士学生)と清水信助教、湯上浩雄教授の研究グループは2002年1月、金属層で絶縁層を挟み込むMIM構造のトンネルダイオードにおいて
トンネル層と金属の間に自然酸化膜を成長させることで、ダイオードの高速応答を実現したと発表した。電力変換効率は現行ダイオードに比べ約1000倍向上する。自然酸化膜の膜厚を最適化すると、約1万倍に高めることも可能だという。
アンテナとダイオードで構成する「レクテナ」は、アンテナで捉えた光(電磁波)をダイオードで整流し、直接電力に変換することができるデバイスである。周波数が数GHzのマイクロ波領域では
既に90%を超える変換効率を実現しており、太陽電池を凌ぐ光電変換デバイスとして注目されている。ところが、太陽光のような可視光波長領域(数百テラヘルツ以上)になると、高い周波数で作動できるダイオードがなく、これまでは実現できなかったという。