https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200215-00608125-shincho-soci
死刑反対は表明していません」フライング報道に全日本仏教会が断言
凶悪犯罪は命をもって償うべき――。多くの国民はこう考えているようだ。内閣府が1月17日に公表した世論調査で、死刑制度への支持率は80・8%に上った。
そんななか、主要59宗派が加盟する全日本仏教会(全仏)が“不殺生の教えと矛盾する”とし、死刑反対を表明すると報じられたが……。
全仏による死刑反対表明の記事は、地方紙を中心に1月30日の朝刊各紙に掲載された。記事の概要を紹介すると、
〈1月30日開催の全仏理事会で死刑反対の答申を了承し、当日、記者会見で明らかにする見通しで、組織全体として表明するのは初めて〉
全仏は、都道府県仏教会など計106団体が加盟する公益財団法人。この一大勢力が死刑反対を表明すれば、制度存廃の議論に影響を与えるのは必至だ。が、
「死刑反対は、表明していません」
こう断言するのは、全仏の広報担当者だ。
「あの記事を書いたのは共同通信の記者で、事実関係に間違いが多い。当日、理事会を開いたのは事実ですが、
最初から死刑反対の表明を了承する予定もありませんでした。ですから、記者会見を開くはずがないのです」
全仏の社会・人権審議会は昨年12月2日、理事長へ“死刑廃止”に関する答申書を提出していた。全仏の広報担当者が続けて、
「審議委員の任期は原則2年で、任期満了が今年3月末と退任が迫っている。これまで議論してきたものを、答申という形でまとめました。死刑廃止については、今後も議論を継続していく方針です」