――新型コロナに関連して、安倍首相をはじめとする政府や、都道府県知事の記者会見の様子が連日報道されています。
会見の場で、平井知事がわかりやすく伝えるために何か気をつけていることはありますか?
平井 新型コロナウイルス対策は、政治の話をしてはいけないんですよね。命と健康を守るために何をやるべきか、率直に、迅速に行動しないと解決しない。
全国的にみると、どうも政治の世界に引き込まれすぎているのかな、と個人的には懸念しています。何かのパフォーマンスであってはいけない。
――東京五輪の延期を巡る動向や、政府の布マスク2枚配布、給付金の方針転換などに不信感を持っている人も多いと思います。
平井 本当に大切なのは、一体この事態をどうやって解決するか。今は国だとか県だとか、関係なく協力していくべき時ですよね。
そして最もあってはならないのは、患者さんや医療機関に厳しい目が注がれるようなこと。
少し政治とは距離を置きながら、現場をみんなで盛り立てて、協力しあう。そういうことがあっていいんじゃないかなと思います。
――知事として、言いにくいことを伝えなければならない局面もありますよね。
例えば、鳥取県の1人目の感染者の方について、3月下旬に鳥取市が招いた外国人の砂像作家と一緒に飲食店を訪れていたことをあえて公表したのはなぜですか。
平井 この時は、記者会見で率直に特徴的な事実関係を申し上げました。鳥取市からは「市内の飲食店に行ったことだけを公表するべき」という申し入れもあったんですけれども、
それでは飲食店への風評被害を生みかねないですし、外国人の方との接触については言わざるを得ないと考えました。
事実を示しながら徹底調査することが大切だと。
https://bunshun.jp/articles/-/37406