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細るおっさんの叫び声…コロナ後の再開、動物もストレス
新型コロナウイルスの影響で4月10日から閉園していた東山動植物園(名古屋市千種区)が28日、プレオープンした。専用サイトで事前予約をした人ら約4100人が訪れ、「イケメンゴリラ」のシャバーニなどの人気動物に歓声を上げていた。6月2日から本格再開する。
同園は2016年12月〜翌年1月、鳥インフルエンザの影響で動物園エリアを閉園したことはあったが、植物園を含めて、これほど長期にわたって閉園したのは戦後初めてという。
再開にあたっては、入場者数の上限を例年の休日の3分の1(約5千人)に絞り、事前予約制を取る(65歳以上の市内在住者らは除く)。園の入り口に消毒液を置き、「マスクの着用」「距離の確保」を呼びかける。また自然動物館など屋内施設は当面は閉じたままにしている。水谷薫・総合公園長は「少しでも『密』の状態を避けるため理解をいただきたい」と話
、事前予約制については1カ月後をめどに感染状況をみて見直しを検討するという。名古屋市名東区から夫と5歳の子どもと一緒に訪れた女性(33)は「手間はかかるけれど大混雑は怖いのでしょうがない」と話した。
「叫び声」10分の1に
2カ月近くにわたって完全閉園していた東山動植物園。戦後最長となる休園期間中、仕事柄、リモートワークができない飼育員たちは徹底した分散勤務を強いられていた。
茶谷公一副園長によると、同園は約500種1万2千の野生動物を抱え、約50人の飼育員がいる。二つの係があり、それぞれ3、4の班に分かれている。休園中はそれぞれの班が別の班と接触しないように気を配った。
出勤と各業務の時間をずらし、昼食のための詰め所を新たに設けた。感染や濃厚接触の疑いで、出勤ができなくなる飼育員が増えるのを防ぐためだ。
飼育員が欠けた場合、そのカバーは容易でないという。えさのやり方、掃除の仕方、手順は動物によって異なる。「しかも担当ではない飼育員が世話にやって来ると、その動物にとっては大変なストレス。健康にもかかわる」と茶谷副園長。
休園中、唯一のホッキョクグマ「サスカッチ」が死に、ジャングルキャットに子どもが生まれ、プレーリードッグが来園した。一方、飼育員たちはSNSで動物たちの様子を発信し、写真の投稿にも努めており、通常時に劣らないほど忙しかったようだ。茶谷副園長は時差出勤などについて、「感染が心配されるうちは当面、この態勢は変えられない」と話す。
動物たちは、大勢の人が来なくなったため、総じておとなしくなったという。南アジア原産のシカ「アクシスジカ」は人がいないことに慣れて警戒心が強まったためか、工事関係者らが通ると木陰に隠れるようになった。「おっさんの叫び声」のような鳴き声で知られるフクロテナガザル「ケイジ」も鳴く回数が1日2、3回と通常時の10分の1程度に減ったという。
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東山動植物園に並ぶ名古屋のもう一つの観光名所、名古屋城は6月1日から再開する。それに先立ち29日午前9時〜午後4時半、プレオープンする。
名古屋城総合事務所によると、正門と東門のチケット発券所に体温測定カメラを設置。発熱者の入場は断るという。
29日のプレオープンでこうした体温測定や消毒液などの感染防止策を確認。30、31両日に最終調整した上で6月1日から再開する。再開後も本丸御殿など一部の屋内施設は休園を続けるという。