新石器時代の「驚くべき」環状竪穴群、英ストーンヘンジ近くで発見
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【AFP=時事】考古学者チームは22日、英イングランド南部にある古代遺跡「ストーンヘンジ(Stonehenge)」の近くで、
4500年前に造られた巨大な建造物遺跡を発見したと発表した。
同国内で発見された先史時代の建造物の中で最大規模のものの一つと考えられるという。
見つかったのは、古代の集落跡「ダーリントン・ウォールズ (Durrington Walls)」の周辺に円を描くように設けられた巨大な竪穴20か所あまり。
竪穴の直径は10メートル以上、深さは5メートル以上に及んでいた。
ダーリントン・ウォールズはストーンヘンジから3キロ足らずの距離にある。
自然保護や歴史的建築物保全に取り組む英慈善団体ナショナル・トラスト(National Trust)で、
国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産「ストーンヘンジ、エーブベリーと関連する遺跡群(Stonehenge, Avebury and Associated Sites)」を
担当する考古学者のニック・スナシャル(Nick Snashall)氏は、今回の成果を「驚くべき発見」と称している。
スナシャル氏は、声明で「ストーンヘンジを建造した人々が生活し、祝祭を行っていた場所として、
ダーリントン・ウォールズはストーンヘンジを含むより広範なエリアの物語を解き明かすカギであり、
今回の驚くべき発見は新石器時代の祖先の生活や信仰に関する新たな知見を提供している」と述べている。
円形に並ぶ竪穴群は、ソールズベリー平原(Salisbury Plain)にある
謎の環状立石群に関連する神聖な領域への境界線として機能していた可能性があると考えられるという。
英国のさまざまな大学の考古学者らで構成する研究チームは、実地調査とデータ分析を利用して今回の発見につなげた。
考古学者らの所属大学は、英セントアンドルーズ大学(University of St Andrews)、英バーミンガム大学(University of Birmingham)、
英ウォリック大学(University of Warwick)、英グラスゴー大学(University of Glasgow)、
そして英ウェールズ大学トリニティ・セント・デイビッド(University of Wales Trinity Saint David)。
新発見の建造物の年代は新石器時代にさかのぼる。
新石器時代は英国に現れた最初の農耕民と関連しており、時としてストーンヘンジなどの巨大な構造物が造られることを特徴とする。
今回の竪穴群は、初期の英国人が長距離にわたって歩測を追跡記録するための計測システムを持っていたことを示していると、研究者らは考えている。
英セントアンドルーズ大学環境科学部のリチャード・ベイツ(Richard Bates)氏は、
今回の発見が「伝えているのは、これまで想像されていたよりもはるかに複雑な社会が過去に存在していたということだろう」と述べている