2017年6月、中東のバーレーン米軍基地に従軍するジハード・リトルジョン二等兵は、
懇意になったタイ人セックスワーカーのリン・レイウェストとワッツアップでチャットをしていた。
「君は本当にセクシーだ。君のおっぱいで眠りたいよ」
「あら、じゃあお金を払ってね」
そんな他愛のないやりとりを続けていると、レイウェストが「儲け話」を持ち掛けてきた。
私みたいなセックスワーカーをタイから何人か呼び寄せる予定だから、あなたも数人“買わない”?
お仲間の海軍兵士相手に仕事をさせれば、いい稼ぎになると思う──。リトルジョンはすぐにその話に乗った。
平均年齢は16〜19歳、相場は3万4000円
彼はセックスワーカーたちの“代金”として2650ドル(約28万4000円)をレイウェストに支払い、彼女たちを税金で管理されている基地外の自分の宿舎に住まわせた。
そして逃げ出さないようにパスポートを取り上げると、売春させては上前をはねていたという。
海軍の調査文書や裁判記録をもとに、2020年6月にこのスキャンダルを報じた米軍事紙「ミリタリー・タイムズ」によれば、
バーレーン基地に従軍する海軍兵士のうち、少なくとも9人が同様の性的人身売買事件に関与しており、うち5人は幹部クラスだったという。
事件を捜査したNCIS(海軍犯罪捜査局)によれば、性的人身売買はバーレーンの海軍兵士たちにとっては「楽に稼げる手段」で、およそ15%の兵士がセックスワーカーを宿舎に囲っていた。
これまでにおよそ10〜15人のセックスワーカーと関係を持ったという軍高官は、
「彼女たちはバーレーンまでの渡航費用としておよそ6600ドルの借金を人身売買業者に負っており、それを返済するために働いていた」と話す。
また、彼女たちの多くはパスポートを没収され、逃亡できない状態にあったという。
また、レイウェストと思しき女性にやはりティンダー上で「タイからセックスワーカーを“買わないか”」と誘われた元海軍特殊部隊の男性(38)によれば、
女性たちの年齢は16〜19歳で、1回の相場は120バーレーンディナール(約3万4000円)だと言われたという。
美人局の被害にあった兵士もいる。基地の航空技術者だったデニス・ミュレン二等兵は、
フィリピン人女性が主催したホームパーティーで「サイフォン」と名乗る女性と意気投合し、彼の宿舎で性行為に及んだ。
するとその直後にサイフォンの仲間だと名乗る男性から、「彼女はセックスワーカーだ。海軍に買春をばらされたくなければ、60ドルを支払え」と脅迫された。
その男性は、海軍警察に属していたという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/851aa653cf6bef84c92e34d6e75f8771d0de675d