ベイリー氏が驚嘆した日本の警察だが、拉致事件は防ぐことができなかった。なぜだろうか。
1970年代以降、日本海沿岸などで失踪事件が相次ぎ、遺留品などから北朝鮮の関与が強く疑われた。海上保安庁も日本海を中心に2000年までに約20隻の不審船を発見し、追跡したが、逃亡されている。
小泉純一郎元首相の訪朝後に始めて警察は拉致を認定したが、自省をこめていえば、認定はあまりに遅すぎた。
当時、政治家や学者、マスコミ人などの中に「北朝鮮の拉致はでっち上げだ」とする者が多くいた。そうした中で、北朝鮮を相手にすることはやりにくかったことは事実だ。
そうだとしても関係先の捜索に、そして、不審船の航行の実力阻止に、もっと警察などは動くべきだった。
拉致被害者の有本恵子さんの母、嘉代子さんも2月に亡くなられた。
このままでは、拉致の真相は永遠に歴史のヤミに葬られてしまいかねない。
滋さんや嘉代子さんたちに対する供養の意味でも、これまでの取り組みを検証し、一日も早く結果を出す努力をすることが必要だろう。
(自民党衆院議員・平沢勝栄)
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200627/pol2006270001-n1.html