新型コロナ 感染共有機能、普及進まず ファクスでの報告続く 東京、神奈川、大阪未利用
政府が5月に運用を始めた新型コロナウイルス感染症の情報把握システム「HER−SYS」(ハーシス)の普及が遅れている。
国、自治体、医療機関が感染者らの情報を共有できるようになるシステムだが、保健所が設置されている155自治体のうち、
7月14日時点で4分の1の39自治体が利用を始めていない。独自システムを使う東京都、神奈川県、大阪府で切り替えに時間がかかっているためだという。
国内初の感染者が確認された1月16日から半年たっても、全国的な情報集約システムが確立していない。
HER−SYSは、新型コロナ感染症のPCR検査(遺伝子検査)や抗原検査の受検者の氏名や性別、
連絡先、検査結果、入退院状況などを一元的に管理することを目指すシステムで、5月29日に運用が始まった。自治体や医療機関は専用のIDとパスワードでアクセスする。
運用では、医療機関が検査を実施する際、患者の氏名や生年月日、連絡先などをまず入力する。その後の結果判明、
入院、退院、宿泊療養、療養終了などの節目ごとに、保健所や医療機関が情報を更新する。軽症者のフォローアップのため、
感染者自身が専用の入力IDを使って健康状態を報告する用途にも使える。
https://mainichi.jp/articles/20200715/ddm/001/040/138000c