Twitter、陰謀論に関連するアカウントを大量削除。影響は約15万件とも
インターネット上での様々な情報や自由闊達な言論は我々にとって非常に有益な反面、人々の心の隙間に入り込むデマ・陰謀論の温床になる場合もあります。
Twitterは”QAnon”と総称される陰謀論を拡散したりそれに関連して他人に嫌がらせなどの攻撃をしているアカウントを大量に削除したと発表しました。
TwitterはQAnonに関連するアカウントやコンテンツの”おすすめ”への露出をなくし、さらにトレンド一覧や検索結果にそれらコンテンツが流通しないよう措置を講じます。
NBC Newsによると、この対応はおよそ15万件ものアカウントに影響するとのこと。
米国では、インターネットにおいて極右的な思想を持つ人々が喜ぶような出所不明のウソ情報が、政府の最重要機密を表す”Q"の文字とともに拡散されており、それらの陰謀論は”QAnon”と呼ばれています。
QAnonは、政府のなかでもトップレベルの機密へのアクセス権限を持つと主張する人物が匿名掲示板「4chan」に書き込み発展した陰謀論。
その内容は、米国政府はオバマ元大統領やヒラリー・クリントン、ビジネス界の大物やセレブ、悪魔崇拝者らが所属する秘密組織ディープステートに操られていて、
この秘密組織壊滅のため、軍内部の良心派がドナルド・トランプが大統領選に出馬させ、選出されたと主張していました。
冷静に考えれば、政府の最重要機密を握る人物が匿名掲示板に重大な情報を書き込むことなどあり得ないわけですが、
世の中からオレオレ詐欺がなくならないのと同じように、人々はそのときの心理状態によって荒唐無稽な話を簡単に信じてしまうことがあるものです。
Twitterは、今回の大量削除が「オフラインでの害につながる可能性がある」行動を禁止するという方針に従った対応だと説明しています。
そしてQAnonをはじめとする陰謀論支持者は、ヘイトキャンペーンに参加したり、一般的なルールを破る行動に出ることが多いと述べました。
そういえば、今年5月には歌手ジョン・レジェンドの妻でモデルのクリッシー・テイゲンが、自身を児童買春犯罪者のジェフリー・エプスタインと関連づけ、
誹謗中傷してくるQanonたちがいるSNSから距離を置くと発言したことがありました
(一部Qanon支持者はテイゲンの他にもジョン・レジェンド、トム・ハンクス、スティーブン・スピルバーグら多数の著名人が小児性愛者で、自殺したエプスタインも実は生きていると主張しています)。
QAnonへの対応はTwitterに限ったことではなく、たとえばFacebookも打ち出してはいるものの、5月に陰謀論関連のFacebookページを一斉削除して以降は目立った対応はなく、
現在もFacebookやInstagramでは陰謀論支持者たちの活動は活発であり、ユーザーへのおすすめにも依然としてこれらのFacebookグループやページ、アカウントが表示される状態です。
陰謀論は、世の中の情勢が不安定になったり、人々が心理的な不安や不満を抱えているときに拡散浸透しやすいもの。
新型コロナのパンデミックや、フロイド氏死亡事件からの黒人差別反対デモや暴動なども陰謀論を信じる人を増やす一因になっていそうです。
https://japanese.engadget.com/twitter-qanon-ban-043042331.html