コロナの病床稼働率、実態と滋賀県の公表にズレ 78%埋まってもHPは「17.3%」 県民不安「逼迫度が正しく伝わらない」
新型コロナウイルス感染者が増加する中、滋賀県がホームページ(HP)で公表している「病床稼働率」「新規感染経路不明者」の数値と、実態とのずれが目立っている。
8月11日現在、県が確保した155床のうち121床(78.1%)が埋まっているのに対し、HPに掲載された同日の病床稼働率は17.3%だった。県は同日、実態とのずれの修正に向け、数値算定方法の一部を見直した。
県は、感染ピーク時の入院者数を最大660人と推計し、県内で宿泊療養施設を含め700床・室を確保する計画を立てている。HPで公表している病床稼働率は、この700床を分母に算出している。
病床稼働率は、県が定める3段階の警戒レベルを上げ下げする際の指標の一つで、700床の60%以上が埋まると現在の「警戒ステージ」から最高レベルの「特別警戒ステージ」に移行する条件の一つを満たすことになる。このため、分母を700床とした稼働率を公表していると県は説明する。
ただ、分母には宿泊療養施設の室数を含める一方、分子に当たる入院者数には宿泊療養者を含めておらず、整合性を欠いている。
また直近7日間の感染経路不明者の数え方についても、陽性判定からおおよそ1週間、保健所が調査しても経路を把握できない人のみをカウントしており、陽性判定後まもなくの公表時点でカウントしている京都府、京都市とは異なっている。
県は11日から、感染経路不明者について調査期間を短縮し、陽性判定から3日程度でカウントするよう変更。10日発表の「0人」から一転、11日は「11人」となった。病床稼働率については分母は変えず、今後、分子に宿泊療養者数を加えるという。
三日月大造知事は7日、20日をめどに病床を計200床に増やすと明言したが、お盆休みや、対象病院の改修工事とも重なり、難航している。計画病床数との差は当面、埋まりそうになく、県民からは「病院の逼迫(ひっぱく)度が正しく伝わってこない」と不安の声が出ている。
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