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89歳、筆算で4桁のかけ算もスラスラ ほとんど満点
週2回通っているデイサービスで約1年前、職員から「やってみないか」と勧められ、小中学校の時以来という計算問題に取り組んでいる。初めは2桁の足し算だったが、やがて足し算は引き算に、2桁は3桁になり、1カ月ほど前から4桁同士のかけ算をこなしている。
持ち帰ってくる答案はほとんど100点で、間違えても1問。「でぃきらんぬーだったのに、何でかね」と笑っている。50代の頃、那覇市の農連市場で野菜や果物を売っていたことがある。思い当たる経験があるとすれば、その時のお釣りの計算だという。
誰よりも驚いているのは長女のユリ子さん(65)。3桁のかけ算を解いて帰ってくる良子さんを見て、通っているデイサービス「本部園」に4桁を解かせてみては、と提案。
良子さんは一つ一つ数字を記しながら筆算を解いていくが、繰り上がりを記さず、暗算していく。本部園の生活指導員、新城将太さん(38)も「大変、大変と言いながらも集中して、楽しそうにやっている」と感心する。
夫は7年前に先立たれたが、子ども6人、孫16人、ひ孫は10人以上。8月は娘3人に誕生日を祝ってもらった。足腰も丈夫。娘たちとおいしいものを食べながらのゆんたくが、元気の秘訣(ひけつ)という。