関東大震災 朝鮮半島出身者 悲劇の教訓
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/09/0912.html
関東大震災 朝鮮半島出身者 悲劇の教訓
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/09/0912.html
大正１２年９月に発生し、１０万人あまりが犠牲となった関東大震災。その混乱の中、当時日本の統治下にあった朝鮮半島からの移住者たちが、日本の自警団や軍、警察によって殺害されるという事件が起きました。しかし１００年近くがたったいま、事件の風化を懸念する声があがっています。悲劇の教訓をどう語り継いでいくのか。現場を取材しました。
朝鮮人犠牲者の追悼式典 継続への危機感
９月１日に行われた、関東大震災における朝鮮人犠牲者の追悼式典。およそ５０年前から日本人の有志を中心に続けられてきました。
朝鮮人犠牲者追悼式典 宮川泰彦実行委員長
「二度とこのような不幸な出来事を招かないこと。目を背けないことを誓い合う式典です。」
一方、３年前から、追悼式典に対して、政治的な集会だと開催に抗議する団体が現れています。この団体は、式典と同じ敷地内に集まり、去年（２０１９年）、朝鮮半島出身者に侮蔑的な発言を行ったとして、都の条例でヘイトスピーチに認定されました。しかし今年（２０２０年）も集会は行われました。
朝鮮人犠牲者追悼式典 宮川泰彦実行委員長
「何かトラブルを起こして、何かあったときに（行政が）両方の集会を中止させる。（団体に）そういった目標があることは見えている。」
さらに今年の式典は、新型コロナウイルスの感染対策のため、参加者を大幅に制限したこともあり、主催者は今後の式典の継続に不安を感じています。
混乱に乗じた流言が生んだ悲劇
朝鮮半島出身者の殺害のきっかけとなったのは、地震の直後から飛び交ったうわさ、流言でした。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などという根拠のない情報が次々と広まり、新聞社も拡散。後に国が、そうした事実はなかったと否定することになる根拠のない記事が数多く掲載されました。
こうした流言を信じた警察や軍、さらに一般市民が組織した自警団が朝鮮半島出身者を狙い打ちし、殺害していきました。国がまとめた報告書によると、殺害された人の数は「震災の死者の１〜数％」、千人から数千人に上るとされています。
風化されゆく記憶をどう語り継ぐか
どうすれば、風化されゆく記憶を語り継ぐことができるのか。事件の調査を続ける、元中学校教諭の西崎雅夫さんは、４０年前、事件の目撃者から直接話を聞き始め、仲間と共にのべ１５０人分の証言を集めました。
西崎さんは、毎年、事件が起きた現場で勉強会を続けてきました。仲間も高齢化し、今年は感染防止のため多くの人を集めることもできませんでしたが、録画して記録に残すことにしました。地道に歴史の事実を伝え続けていくしかないと考えています。
西崎雅夫さん
「関東大震災の時の朝鮮人っていうのは社会的な弱者なんですよ。災害難民なんですよ。何かのきっかけの時に社会的弱者に攻撃が集中するっていうことが、一番良くないと私は思っています。二度と繰り返しちゃいけないことなんだよっていうことを訴え続けているんですね。」
混乱時に増幅しやすい差別意識
国がまとめた報告書では、殺害事件の背景には、朝鮮半島出身者に対する当時の日本人の「無理解」や「差別意識」があったとされています。人々の差別意識が、災害などの混乱の中でどう変化するのか。そのことについて考えるのは、新型コロナウイルスという危機に直面しているいまの社会でも大切だと指摘するのは、関谷直也准教授です。災害時における社会心理が専門で、東日本大震災で広がった差別的な発言などについて調査してきました。
関谷直也准教授
「（流言の発生は）大正期だからそういうことが起こったんだという見方は一方ではあると思うんですけど、必ずしも決して過去の現象ではなくて、いろんなところで起こり得る、現代でも起こり得る現象だというふうに思います。」
いま関谷さんが懸念しているのは、新型コロナウイルスの感染に関連した民族差別的な発言だと言います。ＳＮＳを中心に広がり、人種差別の実態を調査するＮＰＯ団体の調べでは、３００件近くあることが確認されています。
なかでも象徴的だとして関谷さんがあげたのが、国内で感染が広がり始めた時期に横浜中華街で起きた事例です。１人も感染者が確認されていないにも関わらず、心ない中傷の電話が相次いだのです。差別的な言葉が書かれた手紙も、複数の店に届きました。
中華街の組合への電話
“中国人はとっとと日本から出ていけ。どっか消えてくれるんだろ。”
横浜中華街発展会協同組合 高橋伸昌理事長
「いまだにですね（９／１２放送時）、中華街でコロナ（感染）が起きた例はないんですけれども、とにかく風評被害でサンドバック状態に叩かれた。なんの関係もないのに、なんでこんなことをやられるんだっていう。」
こうした言動が広がる要因の一端は、危機に直面した人間の心理的な不安が関係していると、関谷さんは指摘します。
関谷直也准教授
「民族間、人種間の対立というのはふだんから根っこにある。関東大震災であったり、感染症であったり、多くの人がフラストレーションをためる、ストレスをためるような状況において、そういう差別意識、攻撃というのが相手に向かいやすい。」
横浜中華街では８月にも、通りの門に心ない落書きが見つかるなど、中傷が続いていますが、一方で、ＳＮＳ上で数千件に及ぶ励ましの声も寄せられており、関係者の心の支えになっているということです。関谷准教授は、どんな混乱の中にあっても、「人を差別してはいけない」という倫理観を保つことが大切だと語っています。一部の情報によって、自身の考えが流されていないか。私たち一人一人も問われています。
取材：大淵光彦・重田竣平
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デマでも捏造でもやらないと殺されるからな
![おはよう日本は関東大震災の朝鮮人虐殺を特集するNHKの良心的番組です 叩くのはやめなさい！ [455169849]->画像>1枚](https://rz.anime-tube.win/pic.php?http://blog-imgs-117.fc2.com/n/o/r/noranekookayama0424/1527638658-0490-003.jpg)
デマでも捏造でもやらないと殺されるからな
