日銀・黒田総裁会見9月17日(全文1)三本の矢は大きな成果もたらした
◆消費者物価の前年比は0%程度
次に経済・物価動向について説明します。
わが国の景気の現状については、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から、引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が徐々に再開する下で持ち直しつつあると判断しました。
やや詳しく申し上げますと、海外経済は大きく落ち込んだ状態から持ち直しつつあります。そうした下で、輸出や鉱工業生産は持ち直しに転じています。
一方、企業収益や業況感は悪化しており、設備投資は減少傾向にあります。雇用・所得環境を見ると、感染症の影響が続く中で、弱い動きが見られています。
個人消費は飲食、宿泊等のサービス消費は依然として低水準となっていますが、全体として徐々に持ち直しています。
住宅投資は緩やかに減少しています。この間、公共投資は緩やかな増加を続けています。
金融環境については、全体として緩和した状態にありますが、企業の資金繰りに厳しさが見られるなど、企業金融面で緩和度合いが低下した状態となっています。
物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、既往の原油価格下落の影響などにより、0%程度となっています。予想物価上昇率は弱含んでいます。
先行きについては、消費者物価の前年比は当面感染症や既往の原油価格下落などの影響を受けて、マイナスで推移するとみられます。
その後、経済の改善に伴い、物価への下押し圧力は次第に減衰していくことや、原油価格下落の影響が剥落していくことから、消費者物価の前年比はプラスに転じていき、徐々に上昇率を高めていくと考えられます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/29f0c423efbd7ab7b3af2dc54303c596d22bcfe9
黒田日銀総裁「連携して政策運営で一致」 菅首相と会談
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64126300T20C20A9MM0000/