戦前の日本は76人に1人が売春女性
BOOKウォッチでは関連書をいくつか紹介している。紀田順一郎さんの『東京の下層社会』(ちくま学芸文庫)によると、大正末期から昭和初期、全国で売春業に関わる女性は約15万人。15歳から35歳までの女性の76人に1人が関係していたという。今の私たちが思う以上に多いといえる。当時、娼婦になった女性の88%は「家の困窮を救うため」だったという。
『戦後日本の〈帝国〉経験』(青弓社)によると、明治維新後に初めて旅券を持って海外に出かけた女性は、1871年の津田梅子ではない。実は68(明治元)年に早くも日本から上海に行った女性たちがいるという。それは、長崎在留のフランス、イギリス、清国の男性に同行した長崎の遊女たちだ。国家が外国人優遇策として、なじみの遊女を同行させたと見ている。
https://books.j-cast.com/2020/09/11012860.html