成人男性の肥満者が増加していることが27日、厚生労働省が公表した2019年の国民健康・栄養調査で分かった。09〜13年はほぼ横ばいだったが、その後増加傾向に転じた。女性の肥満者には有意な増減はみられなかった。
厚労省は「男性での増加要因について、今後分析が必要」としている。
調査は、国民の身体や生活習慣の状況を把握する目的で毎年実施。19年は4465世帯を無作為に抽出し、2836世帯から有効回答を得た。
それによると、肥満度を示す体格指数(BMI)が25以上の肥満者は成人男性の33.0%で、13年から4.4ポイント増えていた。肥満者の割合を年代別に見ると、40代が39.7%、50代が39.2%だった。一方、成人女性の肥満者は13年比2.0ポイント増の22.3%で、有意な変化はなかった。
調査では、食や運動の習慣を改善する意思の有無も問うた。肥満男性のうち、食習慣について、「改善に関心がない」と「関心はあるが改善するつもりはない」と答えたのは合わせて39.3%を占め、女性も計33.1%に上った。運動習慣でも、同様の回答は肥満男性が計34.9%、女性も計36.3%に上った。
肥満ではない人を含め、半年以内や一カ月以内に食や運動習慣を改善する意向がある男女に、妨げとなる事柄を複数回答で尋ねたところ、「仕事や家事、育児などで忙しくて時間がない」が41.6〜52.8%で一番多かった。
厚労省の担当者は「今後の対策で改善をいかに後押しするかが重要だ」と話している。
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