数々のアニメ脚本を手掛け、ミステリー作家としても「迷犬ルパン」シリーズなどで知られる辻真先さんが今年5月に発売した「たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説」(東京創元社、2420円)が、宝島社が選定する「このミステリーがすごい!2021年版」1位など、ミステリーランキング3冠を達成した。88歳での栄冠という“ギネス級”の快挙となった同作への思いを、辻さんに聞いた。(高柳 哲人)
トリックの出来はもちろん、物語の構成などにも一家言あるミステリー通が選ぶ、各出版社発表のランキング。その中で「たかが―」は、「このミス」だけでなく「週刊文春ミステリーベスト10」(文芸春秋)、「ミステリが読みたい!」(早川書房)でも1位に輝き、「3冠」を獲得した。「運が良かったとは思っていますけどね」と謙遜した辻さんだが、当時は喜びと驚きがあったという。
「一度に全部の賞の結果が分かるわけではないですから。『このミス』の時は『良かったな〜』という気持ち。前に、3位に入った(2009年度『完全恋愛』、名義は牧薩次)ことがあったけど、今回は1位と聞いて。でも、文春は驚きましたね。僕の後ろ(2、3位)に続いていたのが90年代生まれの方たちでしたし」
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