【独自】米で流行の変異型、日本人の6割は免疫効果低下か…東大など解析
米国で流行している新型コロナウイルスの変異型に対し、日本人の6割は免疫の効果が低くなる可能性があるとする解析結果を、東京大や熊本大などの研究チームが明らかにした。日本でもこの変異型が広がった場合、ワクチンの効果が下がるなどの影響が出る恐れがあるという。
この変異型は、ウイルス表面の突起に「L452R」という変異を持つ。米疾病対策センター(CDC)によると、米カリフォルニア州では3月中旬時点で感染者の56%を占めた。3月下旬には沖縄県でも1例見つかった。
チームは、白血球の血液型とも言われる「HLA(ヒト白血球抗原)」に注目。日本人の6割が持つ「HLA―A24」というタイプの白血球は、L452R変異に対し、免疫効果が弱くなることが細胞実験で確かめられたという。L452R変異は感染力を高める可能性も指摘されている。チームの佐藤佳・東大医科学研究所准教授(ウイルス学)は「やっかいな変異だが、1人が持つHLAは複数あり、免疫効果が全くなくなるわけではないと考えられる」と指摘する。
東京農工大の水谷哲也教授(ウイルス学)の話「L452R変異は以前から注目されていたが、日本人は感染により気をつけなければいけない可能性がある」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210412-OYT1T50218/