ウル遺跡から発掘された粘土板から明らかになった4000年前のクレーム事件
https://www.excite.co.jp/news/article/EpochTimes_61565/
英ロンドンにある大英博物館。そこに展示されている古バビロニア時代の粘土板が、世界
最古のクレームであったことが判明しました。紀元前1750年頃に書かれた粘土板の
くさび形文字を解読したところ、質の悪い銅を売りつけられ返金に応じてもらえず、
使者を送ったが門前払いを受けたことに激怒したバビロニアの銅商人・ナンニが、
取引相手のエア・ナシル宛に出した苦情の手紙だったことがわかったのです。
アッシリア学者のA・レオ・オッペンハイム氏の著書『Letters from Mesopotamia:
Official, Business and Private Letters on Clay Tablets from Two Millenni(原題)』に
収録されたこの粘土板の現代語訳から、ナンニの怒りがはっきり読み取れます。
エア・ナシルに伝えてくれ。
この前、君はこう言った。「ジミル・シンに良質な銅を渡す」と。だが君は約束を守ら
なかった。私の使者に粗悪な銅を渡して「欲しいなら持っていけ。いらないならそのまま
立ち去れ!」と言い放った。
君は私を誰だと思ってるんだ? 私のような客を侮辱するのか? 返金のため、私と
同じように紳士的な使者を何回送っても、君は使者を突き返して私を侮辱した。敵地を
くぐり抜けて行ったんだぞ。ディルムン(当時の銅の産地)で私にこんな対応をする
商人は誰1人いない。私の使者を侮辱したのは君だけだ!
1ミナ(重さの単位、約575g)の銀を借りているからか? 君の無礼な振る舞いにも
かかわらず、私は君の代わりに1080ポンド(約490kg)の銅を宮殿に納め、ウミ・
アブムも1080ポンドの銅を納めた。私と君とで記載・封印し、サマス寺院に納めた
粘土板の内容とは別に、これだけの銅を納めたんだ。どうしてこんな扱いをするんだ?