きれいすぎて…海産物の栄養が不足 「海の豊かさ」各地で模索
高度成長期に工場などからの排水が原因で富栄養化が進み、日本各地の海では漁業などに深刻な被害が出た。排水規制などで水質改善が進んだ結果、瀬戸内海をはじめ各地の海で、きれいになり過ぎたことが原因とされる悪影響が深刻化している。日本近海で一体何が起きているのか。
・アサリの餌が減少「ほとんど死んでしまう」
「どれだけ稚貝を入れてもほとんど死んでしまうこともある」。西三河漁協(愛知県西尾市)の稲垣芳樹組合長はアサリの一大産地・三河湾の現状を嘆く。
三河湾産のアサリはぽってりとした身や強い甘みが特徴で、全国各地に出荷される。愛知県水産課によると、県内の収穫量は2013年には1万6063トンで全国の約7割を占めたが、17年には1635トンと最盛期の1割程度に激減した。
https://mainichi.jp/articles/20210602/k00/00m/040/231000c