毎年さまざまな分野で世界の国々をランク付けしている「USニューズ&ワールド・レポート誌」が、「2021年世界で一番『いい国』ランキング(Overall Best Countries Ranking)」を発表しました。
コロナ禍の影響で変動が見られた上位国。
どのように評価されたのでしょうか。
■1位カナダ
1位はカナダがランクイン。
政治的な安定や国民の暮らしやすさを評価する「生活の質」部門、人権や環境への配慮や男女平等、社会正義への取り組みなどを数値化する「社会的目的」部門で満点(100点)を獲得。
アクシデントへの迅速な対応を評価する新設部門の「機敏」でも97.2点を獲得し、前年まで4年連続1位だったスイスを抜いて初の1位になりました。
■2位日本
2位は日本がランクイン。
100点を獲得した「起業家精神」部門では、高い技術力やデジタルを含むインフラの発達などの5項目で100点の高評価でトップです。
その一方で「冒険」および「男女平等」の項目を含む「社会的目的」では低い評価を受けました。それでも多くの部門で高得点を獲得し、前年より1位ランクを上げています。
■3位ドイツ
3位は前年より1位順位を上げたドイツ。
もっとも高い評価を受けた部門は、日本に続く2位に入った「起業家精神」です。
法的枠組みやインフラの発達度、商慣行の透明性の高さで高い評価を受けました。
しかし「冒険」では低い評価となっており、ドイツの保守的な面がうかがえます。
■4位スイス
スイスは4位に後退しましたが、総合スコアは97.3点で高い評価です。
特にスコアが高い部門が「ビジネス面での開放度」と「生活の質」。
生活にもビジネスにも適した国として評価されました。
しかし「力」では低評価。
国民皆兵制で強力な軍隊を持ちながら永世中立国であることがスコアに影響しているようです。
■5位オーストラリア
前年と同じ5位のオーストラリアは「機敏」部門で97.7点を獲得。
コロナ禍における国の対応の速さが高評価につながったと思われます。
また、「生活の質」「社会的目的」など他の部門でもハイスコアを獲得。
その一方で国の歴史の長さが評価される「遺産」、政治的影響力や軍事力などの「力」が低スコアとなっています。
■有事や変化への対応力が高い国ほど「いい国」として評価された2021年
2021年の「いい国」ランキングはコロナ禍という世界規模の「有事」に迅速かつ適切に対応した国が高く評価されました。
また、大きな変化への対応力が高い国も順位を上げています。
今後あらゆる面でさらに大きな変化が生じると思われますが、そのような変化にいかに順応できるかが国や国民の未来を左右することになるかもしれません。
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