首都圏で7日午後10時41分ごろ発生した最大震度5強の地震。
一夜明けた8日朝は、各地で交通が混乱し、一部の鉄道駅では入場規制がかかりました。
コロナ禍で進んだはずのテレワーク。
地震という緊急事態で対応することは難しかったのでしょうか。
それぞれの事情を聞きました。
■「生産性が上がるから」 出社指示
都内のIT関連会社に勤める営業職の男性(57)は8日朝、普段より30分早く家を出て、最寄りのJR蒲田駅に向かった。
午前8時前に駅に着いたが、すでにホームは人であふれ、すし詰め状態の電車を1本見送り、会社までたどり着いた。
この日の朝は会社で打ち合わせの準備をする必要があったため、出社した。
夜間の急な地震で、予定の変更は難しかったという。
緊急事態宣言中は、原則「出勤3割」とされていたが、宣言が明けたとたん、「毎日出社」するように会社から指示された。
理由は「生産性が上がるから」。
だが、「お客さんとの打ち合わせは自宅からウェブ会議でできたのに、今はわざわざ会社に行って同じことをしている」のが現実だ。
「感染はまだ完全に収まっていないし、毎日出勤する必要はあるのか」と漏らした。
■テレワークは「効率が悪い」
業務の特性上、テレワークが難しいという人もいる。
金融機関勤務の男性(32)は8日朝、埼玉県戸田市から普段通り都内の職場に出勤した。
早めに家を出たが、電車が遅れたため、到着は普段より遅れたという。
業務では扱う個人情報が多く、まだ電子化もされていない。押印が必要な書面も多い。
「この仕事でテレワークは、今後10〜20年は無理だと思いますよ」。
淡々と語った。
新橋駅近くのビル管理会社勤務の男性(40)は、会社はテレワークを推奨しているものの、出社を続けてきた。
会社全体でも、テレワークを実行しているのは2〜3割だという。
男性は「テレワークは効率が悪い」と感じている。
ビルの修繕などを担当するが、業者とのやりとりや官庁に提出する書類の作成のため、ほぼ毎日出社している。
会社に推奨されたテレワークを数回試したことはあるが、はかどらず続かなかった。
「必要な資料を全て持ち帰るのは大変だし、実際に現場を見ないと、業者とのやり取りも難しい」
7日夜は地震の影響で自宅のある神奈川県横須賀市まで帰れず、新橋駅近くのカプセルホテルで1泊。
8日朝はホテルからそのまま会社に出勤したという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7f18b930eb3e267b27f56f3cca52febd2fd0cbc