他人が失敗したり、恥をかいたりしている様子、もしくはそうなりそうな様子を見たとき、自分まで恥ずかしい気持ちになる現象は「共感性羞恥」と呼ばれます
「共感性羞恥」の感情と上手に付き合っていくには、どうすればよいのでしょうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞きました
小日向さん「共感性羞恥とは、笑われる、叱られる、勘違いに気付いていないといった、他人が恥をかいている様子を見ると、あたかも、自分がそうされているように恥ずかしくなる感情のことをいいます」
Q.共感性羞恥を感じる原因は何でしょうか。
小日向さん「共感性羞恥とは言葉の通り、『羞恥心に共感する』という心の状態なので、そもそも、本人の羞恥心が強い、分かりやすくいえば、『恥ずかしがり』なことが一つの原因といえます。
もともとの気質である場合もありますが
過去の傷つき体験が要因となっている場合もあります
Q.共感性羞恥を抱きやすい人の特徴はありますか。
小日向さん「最近は『HSP』という言葉を耳にしたことがある人も増えてきたと思いますHSPの人は共感性が高いため、共感性羞恥心が高くなるといえるでしょう」
Q.共感性羞恥は克服した方がよいのでしょうか。それとも、そのままで問題ないのでしょうか。
小日向さん「『自分自身がそれによって、どのくらい生きづらさを感じているか』という主観的な判断をして、それほどつらくないなら、そのままでもよいと思います。
ただし、他人への共感が強すぎて、他罰的思考に陥っているのであれば、修正した方がよいでしょう。
恥ずかしい思いをさせる人物・対象に過剰な敵意まで持つことは、傲慢(ごうまん)な思考であると考えてください。『私はこう感じた』はよいですが、『だから、こうするべき』となって正義感を募らせると、問題行動につながりやすいからです
共感はいいけど同感はしないという意識を持ってみてください。『ああ、これは恥ずかしいだろうな』と相手の感情に思いをはせる共感はよいことですが、相手の心に自分の心が乗っ取られて、自分も落ち込んだり嘆いたり、果ては頼まれてもいないのに他者を攻撃するようになっていたりするとすれば、それは同感になります」
https://news.yahoo.co.jp/articles/1ab792b74cc7b721a7ff96e24badce5cae1ebf7b