国会議員に月額100万円支給される「文書通信交通滞在費」(文通費)をめぐり、野党が自民党包囲網≠敷いている。
自民が先行すべきだと主張する日割り支給だけでなく、使途公開や残額の国庫返納も可能とする「3点セット」の法案を先の臨時国会に提出。
法改正には至っていないが、野党の改革意欲を強調しつつ「自民は改革に後ろ向きだ」と攻勢を強める。ただ、立憲民主党が独自の使途公開を見送るなど結束は盤石ではない。
「『3点セット』は国民の大半が求めているが自民は応じようとしない。改革に後ろ向きな姿があらわになった」。立民の泉健太代表は21日の党会合で、自民が使途公開と国庫返納に慎重だと問題視した。
立民は7日に「3点セット」の法案を提出。6日に同趣旨の法案を共同提出した日本維新の会と国民民主党は改革実現を優先し、立民案に賛成する意向を示した。
共産党の小池晃書記局長も20日の記者会見で「自民の対応は許されない」と批判しており、来年の通常国会に向けて与党との対立軸を印象付けたい野党の思惑が透ける。
ただ、野党の足並みはそろっていないのが現実だ。
維新と国民民主は「本気度」をアピールしようと、法改正を待たずに独自の指針を発表した。
維新は所属議員が専用口座で管理し、作成した収支報告書と領収書を党のホームページで公開。未使用分は党を通じて被災地への寄付などに活用できるようにする。
国民民主も領収書を党のホームページで公開し、1年を通じて余った分はまとめて国庫に返納する。
一方、立民は「全ての国会議員が同じルールで公表するのが筋だ」(西村智奈美幹事長)として、党独自の方法での使途公開に慎重な構えを示した。
https://www.sankei.com/article/20211229-JXCSZ4IZL5JOTB45U7EQLRZ7GM/