岸田政権は28日、2023年の世界文化遺産登録をめざす国内候補に選ばれた佐渡金山遺跡(新潟県佐渡市)をユネスコへ推薦する方向で最終調整に入った。2月1日に閣議了解する見通し。韓国政府が歴史問題を理由に撤回を要求し、登録の見通しが立たないとして、推薦を見送る方向で調整していたが、方針を一転した。地元関係者や自民党内から推薦を求める声が強まっていた。
佐渡金山遺跡は昨年末、文化審議会が推薦候補に選んだ。世界中の鉱山で機械化が進む16〜19世紀に、伝統的手工業による金生産システムを示す遺構として価値があるとされた。明治時代以降は佐渡も機械化し、相川金銀山は1989年まで操業した。
これに対し、韓国政府が、戦時中に佐渡の鉱山で朝鮮半島出身者が働いており、「強制労働被害の現場だ」などと反発、選定撤回を要求した。文化庁の担当者は「文化遺産としての価値はあくまで江戸時代が対象」とし、戦時中の朝鮮半島出身の労働者については「推薦の内容とは必ずしも直結しない部分」と話す。
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