ヒトのように表情をつくれるアンドロイドを開発
−ヒトと機械をつなぐ感情コミュニケーションに期待−
理化学研究所(理研)情報統合本部ガーディアンロボットプロジェクト心理プロセス研究チームの
佐藤弥チームリーダー、同インタラクティブロボット研究チームの港隆史チームリーダーらの
共同研究チームは、ヒトのように表情をつくれるアンドロイド(ヒト型ロボット)を開発し、
その妥当性を心理実験で実証しました。
本研究成果は、アンドロイドが表情を通してヒトと感情的なコミュニケーションをとることを可能にし、
介護現場などにおけるアンドロイドの活用といった社会応用につながると期待できます。
これまで、ヒトのように表情をつくることを目指したアンドロイドの研究はいくつか報告されてきましたが、
ヒトの表情筋[1]の動きを精緻に再現し、その妥当性を心理実験で厳密に検証した例はありませんでした。
今回、共同研究チームは、ヒトの解剖学・心理学の知見に基づいてアンドロイドの頭部を開発し、
「Nikola」と名付けました。Nikolaの表情の妥当性を、三つの心理実験で検証した結果、
まず、表情専門家によりNikolaが眉を寄せたり口角を上げたりする17個の「表情筋の動き」が全て
適切であると評価されました。次に、一般参加者によりNikolaの怒り・幸福など六つの「基本感情の
表情」が全て適切に認識されました。
さらに、Nikolaがさまざまな速度で表情をつくると、一般参加者がヒトの表情と同様に速度の影響を
受けること(例えば、驚きの表情は早いほど自然である)が示されました。これらの結果から、
Nikolaの表情がヒトと同様であることが証明されました。
二コラさん
Nikolaの動的表情の例(上)と一般参加者による自然さの評定結果(下)
https://www.riken.jp/press/2022/20220210_1/index.html