ロシアのプーチン大統領が9日、クリール諸島(北方領土と千島列島)に免税特区を設置するための法改正案に署名し、成立した。日本がロシアへの経済制裁を発動したことに対し、北方領土の実効支配を強める腹積もりだ。返還交渉を続けてきた安倍政権の8年間は、いったい何だったのか。SNSでは〈安倍晋三のせいで台無しになった〉という声が上がっている。
プーチン大統領に足元みられ…対ロ経済協力を加速させた安倍元首相の大罪
「安倍さんは首相時代、従来の『4島返還』要求を『2島返還』に後退させています。プーチン大統領と27回も面会を重ねファーストネームで呼び合う親密関係を築き、3000億円の経済協力まで打ち出しながら、結局、返還交渉は1ミリも進みませんでした。安倍さんは国民に謝罪すべきですよ」(霞が関関係者)
この安倍元首相の大失態に矛先を向けているのが岸田首相だという。ウクライナ侵攻を契機に、安倍元首相が蜜月関係だったプーチン大統領を一気に突き放している。
「返還交渉に前のめりだった安倍政権は、北方領土を、従来の『固有の領土』から『我が国が主権を有する島々』と曖昧な表現に変えてしまった。プーチン大統領を刺激しないための配慮です。ところが、岸田首相はこの3月、呼称を『固有の領土』に戻した。安倍さんの『プーチン蜜月外交』を否定した格好です」(永田町関係者)
岸田首相は、これまでも要所要所で安倍批判を繰り返してきた。安倍元首相が言及した「核シェアリング」については、「政府として議論しない」とバッサリ。安倍元首相肝いりの「アベノミクス」からの転換を言い出したり、天下の愚策「アベノマスク」についても、「廃棄する」と切り捨てていた。
「安倍さんは、『なぜ岸田さんは俺の言うことを聞かないんだ』と相当、怒りを募らせているようです。ところが、岸田さんは支持率アップのためなら『安倍批判』もいとわない。今後も安倍政権時代の対ロ政策を否定してくる可能性があります」(永田町関係者)
9日に、岸田首相と約20分間面会した安倍元首相。「ウラジーミルを刺激し過ぎないでよ」とクギを刺したのかもしれない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b8ea0345d27a4f271d281f399052c7ed5ed5728