これよりひどくなるんだよなあ
ロシアの明日はベネズエラ(産油国)
南米の資源大国として、先進国の仲間入りも夢ではなかったベネズエラの経済が、今や破綻の危機に陥っている。
膨大な石油資源を抱えていながらなぜこんなことになり、一体これからどうなるのか。
原因を分析し、先行きを予測するに当たっては1980年代後半のソ連経済の惨状が参考になりそうだ。
むろん国民にとっても政権にとっても、決して明るい未来ではない。
ソ連も、末期には財政赤字が急増していた。86年にはGDPの6%を超え、91年にはGDPの3分の1に達した。
輸入品の支払いに充てる外貨準備が減ると紙幣を増刷して国庫の赤字を埋めたものだ。必然的にインフレが激しく高進した。
結果としてGDPは急激に縮小し、財政の安定が回復しない限り減少の一途をたどる。ソ連ではおそらく91年にGDPが10%ほど減り、ソ連崩壊にかけての88〜95年に原油生産は半減した。
ベネズエラでも似たようなことが起きているようだ。
ソ連政府は通貨ルーブルの法定平価を非現実的に高く設定しようとした。闇レートの5倍くらいの高さだった。
やがて国民は闇レートこそ現実の相場だと思い知るようになる。
91年12月、ついにソ連崩壊という時点で、ロシア人の月収は米ドル換算で平均6ドルという悲惨な状況だった。←←←
今のベネズエラもその方向に進んでいる。
ソ連では同時に対外債務も急増した。今のマドゥロ政権同様、可能な限り多くを可能な限り長期で借りた。
貸し手は主として外国政府。ベネズエラの場合、最大の貸し手は中国だ。そして借金を返せない現実を認めず、少しずつ返済を続け、それだけ赤字を増やしている。
https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/world/2017/05/post-7564.php