中華人民共和国とアメリカ合衆国の共同コミュニケ(仮訳)
(米国の対台湾武器売却問題について)
(1982年8月17日,北京・ワシントン)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1983/s58-shiryou-508.htm >1.1979年1月1日にアメリカ合衆国政府と中華人民共和国政府により発出された外交関係樹立に関する共同コミュニケにおいて,
アメリカ合衆国は中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府であることを承認し,
中国はただ一つであり,台湾は中国の一部であるとの中国の立場をアクノレッジした。
そうした関係の範囲内で,双方は,アメリカ合衆国が台湾の人々と文化,交易,その他の非公式な関係を維持していくことに合意した。
この基礎の上に,米国と中国の関係は正常化された。
>3.相互の主権並びに領土保全の尊重及び相互の内政不干渉は米中関係を律する基本的な原則をなす。
これらの原則は,1972年2月28日の上海コミュニケにおいて確認され,
1979年1月1日に発効した外交関係樹立に関する共同コミュニケにおいて再確認された。
双方は,これらの原則は引き続き双方間の関係のすべての分野を律するものであることを明確に声明する。
> 4.中国政府は,台湾問題は中国の内政問題である旨を重ねて言明する。
中国が1979年1月1日に発した「台湾同胞に告げる書」は平和的祖国復帰へ向けて努力するとの基本的政策を規定した。
中国が1981年9月30日に提示した9項目提案は,台湾問題の平和的解決に向けて努力するとのこの基本的政策の最も顕著な努力の表われであった。
> 5.米国政府は,中国との関係を非常に重視しており,中国の主権と領土保全を侵害する意図も,
中国の内政に干渉する意図も,「二つの中国」あるいは「一つの中国,一つの台湾」政策を推し進める意図もないことを重ねて言明する。
米国政府は,1979年1月1日に発出された「台湾同胞に告げる書」及び1981年8月30日に中国から出された8項目提案に示されている
台湾問題の平和的解決のため努力するとの中国側の方針を理解し,評価する。
台湾問題に関し生じた新しい状況もまた米国の対台湾武器売却問題を巡る米中間の相違の解決のため有利な条件を作り出すものである。
>6.双方の上記の声明を念頭に置きつつ,米国政府は台湾への武器売却を長期的政策として実施するつもりはないこと,
台湾に対する武器売却は質的にも量的にも米中外交関係樹立以降の数年に供与されたもののレベルを越えないこと,
及び台湾に対する武器売却を次第に減らしていき一定期間のうちに最終的解決に導くつもりであることを表明する。
右を表明するに際し,米国は本問題の完全な解決に関する中国側の一貫した立場をアクノレッジする。