新学期を前に、曇り顔の子どもたちがいた。 「絶対に明日学校行かない!」 東京都杉並区に暮らす小学2年の男の子は大粒の涙を流してこう訴えた。
昨年の入学以降、一度も喜んで学校に向かったことがない。団体職員の母親(41)によると、ほぼ毎日、校門か友達との待ち合わせ場所まで親がついていく状況だという。保育園までは嫌がることなく通園していたが、小学校に入った途端に、いわゆる「行き渋り」が始まった。
母親が学校に行きたくない理由を尋ねると「勉強がわかんない」「学校がつまらないから」と言うばかり。苦手な勉強ができるようになれば少しは変わるかもしれないと、個別指導の塾にも連れていったが、行き渋りは無くならない。母親は言う。
「自分も子どもの頃に学校に行きたくないという気持ちはありましたよ。でも、行くのが当たり前だから頑張って行っていた。今は“子どもに無理をさせないで”なんて言われますけど、怠けとの違いが分からないし、どうしていいのかも分からない」 今のところ学校を休むまでは至っていないが、不登校になるのではという不安は常にある。
昨年度は、不登校を克服した親たちの集まるオンラインの会にも出てみたが、「克服して今は医者になっている」など美談ばかりだったため、うんざり気分で終わってしまった。 「結局、学校に行けるようになり、医者になったとか、難関大に行けたという話でした。不登校で学業でもドロップアウトしたけど幸せに生きていますという事例はなかなか聞かないじゃないですか」 母親は、むしろ不安が強くなったと訴える。
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