>>97 最初は、竜兵会に一番下から入りましたよ。
「本当に貯金ゼロなんです」って言いながら、通帳をわざと見せて。
そこまでしたのも、本当に金がないんだ、と信用させるためです。
本当は通帳を2冊持っていたんです。
1つは本当に残高ゼロ。もう一つはしっかりお金が入ってる。
ゼロの方を持って行って、竜さんに見せたら、
「おまえ、普通はそこまで見せないぞ。ここまでさらけ出すって芸人らしいやつだな!」
ってすっかり信用しちゃって。
あの人、芸人らしい人が好きなんですよ。そう読んで通帳見せました。
もう一つお金がちゃんと入ってる通帳があるなんて全然わかってないですよ、あの人。
そんな小細工したなんて、これっぽっちも思ってないですもん。
一番いいのは後輩を使って言わせることですね。
僕の場合は、すぎを使いますけど。
僕はすぎと飲んでるときに、僕が「竜さんのことをホメてる」と吹き込んでおくんです。
「俺、すっげー竜さんのこと尊敬しててさ、・・・やっぱ竜さん、すげーよな」
するとだいたい、すぎが上島さんと会話のネタがなくなったときに
「あ、そういえば、有吉さんが上島さんのこと尊敬してるって言ってました」
みたいに話してくれる。計算通りですよ。
すぎにしてみても、言わされてる感なんてぜんぜんない。
一見遠回りに見えて、実はものすごく効果のある作戦なんです。
ライバルは潰すことですね。
竜兵会入りを狙ってる後輩は、ことごとく潰すようにしています。
有望な新人がいると「竜さん、あいつはダメですよ!」とか「酒癖悪いから」とか、
あることないこと情報挙げて阻止しています。
上島さんは、僕の言うことは信用しますから。だから思いのままですね。
出る杭はつぶしておかないと。
自分のポジションを守るためには必ずしないといけないことですよ。
僕は『自分にプライドは持たない』というのがあるんで。
だからこびへつらうことも、嫌われるのも平気。
こびへつらっても、腹の中では「なんだこいつ」とか思ってるし、
自分的には全然ストレスにはならないですよ。
子供の頃からそうでしたから。
本音で話したこととかないですもん。
ずっとウソつき通すっていう、だからそれが本当の自分なんですかね。
厳しい芸能界で生き抜くためにはプライドなんか持っちゃいけないんです。
土田さんが言うには「有吉は顔で助けられている」って。
自分の顔に感謝します。僕ってよく笑うんですよ。
特に芸人さんって、笑う人に弱いんですよね。
あとは人の話を聞くのが苦じゃないんです。
実はそんなに聞いてるわけでもないんですが、
「真剣に聞いてるよな」と思ってくれるらしいんです。
巨人師匠クラスの芸人になると、それを見抜かれて
「おまえ、相づち打ちすぎだ」って怒られましたけど
上島さんクラスだと「こいつ真剣に聞いてくれてるな」って顔で聞いてますもん。
自分の秘密までしゃべっちゃって、僕に弱みを握られるパターンです。
自分で言うのもなんですが、つくづく『聞き上手』『笑い上手』っていうのは得しますね。
僕は、どこか(誰か)に寄生して、その寄生した先の宿主を全部食べて
栄養にしちゃうみたいな生き方がいいかなと思います。
だから上島さんのことは、全部吸い取ってやろうと思ってます。
吸い取れるものは全部吸い取って、上島さんがやせ細って、
そのぶん僕がまるまる太りたいっていうのはあります。