消費税12%、医療費6割負担…防衛費5兆円増で生活苦の未来
■国債頼りは危険。しわ寄せは家計に
防衛費の倍増の財源は明らかになっていない。安倍晋三元首相は「(国の借金である)国債で対応すればいい」と語っているが……。
同志社大学の浜矩子教授(国際経済学)がこう憤る。
「すでに現在の国債発行高は、第二次世界大戦時と同じレベルです。軍備増強のために、国債を発行することは憲法違反の可能性も。忘れてはならないのが国債の返済にはその分の金利を支払う必要があること。今はほぼゼロ金利ですが、今後、インフレや円安などから金利が上がる可能性も少なくない。財務省によると、国債の金利が1%上昇すると2年後の年利払いは3.7兆円増えると試算。その負担は、国民にのしかかってくるのです」
国債に頼らない場合、別の予算からの付け替えが予想される。前出の山家さんが語る。
「声が大きくないところから予算の削減をするのが今の政府の特徴。狙うのは年金、医療、福祉など社会保障費です。たとえば高齢化により医療費自体を抑えることは難しいなか、国民の自己負担を増やしていくしかない。防衛費が増額した5兆円分をそのまま医療費に換算すれば、医療費の窓口負担3割の人が、6割負担になる試算もあります。さらに、今でさえ年々減額されている年金受給額も、5兆円分をそのまま充てることになれば、現在約4000万人の受給者の年金が年12万円減額します」
より現実的なのが消費増税だ。
「かりに防衛費の倍増分を税収でまかなうためには、2%の消費増税が必要に。それでも欧州に比べて消費税率が低いことから、経団連からも19%に引き上げろと圧力があります。防衛費のGDP比をNATO(北大西洋条約機構)並みに引き上げようとしている岸田首相が、消費税も欧州並みにという理由だけで、消費税12%に引き上げても不思議ではありません」
https://news.yahoo.co.jp/articles/840b99859fb734d46cc88c9a6f0591c43900a55a