47歳になったフォンさんには、インターネットに接続できる消費者向け機器を製造して
海外進出する計画がある。しかし新型コロナウイルス対策で2年にわたってロックダウン(都市封鎖)が
繰り返されたことで、出荷コストは上がって消費者心理は冷え込んでしまった。今では会社が存続できるかどうかを心配している。
「この1年、持ちこたえられればよいのだが」とフォンさん。
高層ビルが立ち並ぶ街を見下ろす最上階のオフィスで、商品に囲まれながら「商売の正念場だ」と語った。
フォンさんの出世物語は、深センそのものの歩みと重なる。
深セン市は、中国が経済改革に乗り出した1979年に誕生。
経済特区に指定された同市は、農村が集まる地域から主要な国際港湾都市へと変貌を遂げ、
中国の名だたるハイテク、金融、不動産、製造企業が拠点を置くようになった。
過去40年間は、毎年少なくとも20%の経済成長を記録。
オックスフォード・エコノミクスは昨年10月時点で、
2020年から22年に深センが世界トップの成長率を達成すると予想していた。
https://jp.reuters.com/article/insight-china-shenzhen-idJPKBN2NU06V