【米国株】伝説の投資家・バフェットが2022年に5兆円分の米国株を買った理由は? 年初の下落で米国株の割高感が解消され、過去最高水準の“大人買い”を実行
“世界最強の投資家”ウォーレン・バフェットが2022年1~3月に米国株を5兆円分も大人買いした理由とは?
●バフェットは2022年の1~3月までに大量の米国株を「買い」!
過去最高水準の買い越しに転換したのは”割高感”が解消されたから
米国株の代表的な株価指数であるS&P500が、年初の高値から一時約20%も下落した。
こういった波乱相場のなか、約5兆円分もの株を買った投資家がいる。
その人はウォーレン・バフェット。
米国の投資会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOであり、世界一の投資家と評される人物だ。
なぜ今、バフェットは株を大きく買っているのだろうか?
そもそも、バフェットは2020年と2021年には株を売っていた。なぜなら、株価が非常に割高だったからだ。
バークシャー・ハサウェイの株主総会にも出席したマネックス証券の岡元兵八郎さんは、バフェットの発言をこう解釈する。
「バフェットは米国の大手金融機関に対して『株式市場での投機的な行動を奨励しており、株式市場を賭博場にした』と非難していました。
コロナ禍以降の株価上昇は、異常だと感じていたのでしょう」(岡元さん) ところが、2022年の年初からの株価下落で、バフェットは「我々にとって興味深い銘柄が浮上した」という。バフェットの株式市場への見方が変化した表れだ。
そこで、バフェットが「株価が割高か、割安か」を判断するときに重視していると言われている「バフェット指標」を見てみよう。
バフェット指標は、米国のGDPに対して、米国株が割安か割高かがわかる指標。「株式の時価総額÷名目GDP×100」で算出される。
数字が大きいほど株は割高で、小さいほど割安だ。2021年末に200%を超えていたこの指標が、2022年3月には、コロナ・ショック直後の170%台まで下がった。
また「S&P500指数のPERが、5月中旬には過去10年間の平均である16倍台になっている」と岡元さんは言う。
株価に割高感がなくなってきたため、バフェットは好みの割安株を中心に、大量に「大人買い」し始めたのだ。
一方「エネルギー大手のシェブロン(CVX)の購入は意外」だと言うのが、米国在住のストラテジストのポール・サイさんだ。
「シェブロンの株価は2021年9月以降右肩上がりが続き、史上最高値圏です。こういった株価が高い銘柄を、バフェットは通常は買わない。
それでも買っているのは、インフレ時にエネルギー株が上がりやすいからでしょう。
つまり、バフェットはインフレ率が高止まりすると見ています」(サイさん)
生涯の投資成績“36万%”という生きる伝説の投資家は、目下株をどんどん買い進め、インフレに対応している。
現金の価値が下がるインフレ状況下で、大事な資産を守るためにも、バフェットの戦略を参考にして、今後の投資を考えるときが来たと言えそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/58319ace0bcc954092c96270e43e5c0011912f3c