この問題は、男性院長が21年7月25日、その日が当番日であることを知りながら飲酒。飲酒後、出産手術を実施した。生まれた赤ちゃんの父親によると、赤ちゃんは頭部に血がたまり、肺や心機能が低下。別の病院に緊急搬送され、一時生命の危機があった。
申立書では「アルコール摂取の影響下で吸引分娩(ぶんべん)を実施したことは許されない行為」と指摘し、危険性や他の選択肢の説明をしていないとして「必要な説明義務への違反がある」と主張。赤ちゃんについては現在、発達障害の有無などについて経過観察している段階といい、同院に対し、症状が固定化した後、赤ちゃんに後遺症が残った場合の慰謝料などを支払う意思を示すよう求めている。同院は毎日新聞の取材に「ノーコメント」と答えた。
飲酒が手術に影響を与えたのかは不明だが、豊橋市は同院に対し、夜間・休日の当番体制見直しなど安全確保のための指導文書を交付。今年2月、同院は5月末に閉院する方針を打ち出したため、赤ちゃんの両親が3月17日にあっせんを申し立てた。同院はその後、閉院を撤回し、外来診療は続けている。【川瀬慎一朗】
https://mainichi.jp/articles/20220801/k00/00m/040/131000c