コロナ療養中の英国看護師が訴える「憤りと不安」 「コロナと共存」選んだイギリスは正しいのか
https://news.yahoo.co.jp/articles/6fdc4f1284be37a46268d86c1d138d9a364e235b
現在、私が勤務する部署では、全スタッフの10%前後がコロナ感染や後遺症で自宅療養している。最も長い人では半年近く休んでいる。
この同僚のように、コロナ後遺症が理由で3カ月以上の病欠を余儀なくされている人は、NHSの職員だけで1万人以上もいて、イギリス全体では200万人にも上るとされる。
そしてこの問題こそ、「コロナと共に生きる」としたイギリスの闇の部分といえる。
これだけの人がコロナ後遺症で苦しんでいるにもかかわらず、彼らを守るための法的整備が進んでいない。療養による休暇の取得日数の上限、
給与補償、通院のための遅刻・早退・休暇は病欠扱いになるのかなど、働く側にとっては「ライフライン」ともいえるほど重要な点なのだが、
コロナ後遺症に関して、現状は雇用側の判断に任されているのだ。
コロナ後遺症は現在進行形だ。回復までにどれほどの期間を要するかも含め、研究の途上にある。だからこそ法整備もなく、
ただ「コロナと共に生きる、だから感染対策の必要はない」と言われても、無理というものだ。不安を募らせる人は増えていくだろう。
コロナと共に生きるためには、まずは国民が安心をしてコロナを受け入れられる環境づくりが、これからのイギリスには求められる。
ピネガー 由紀 :イギリス正看護師、フリーランス医療通訳