敗訴のフジ住宅「今後も国家のために経営」 原告「会社は変わって」
9/9(金) 19:45配信朝日新聞デジタル
民族差別的な文書を職場で何度も配布され、精神的苦痛を受けたとして、在日韓国人の女性が、大手不動産会社「フジ住宅」(大阪府岸和田市)側に賠償などを求めた訴訟で、フジ住宅側の敗訴が確定した。最高裁第一小法廷が8日付の決定で会社側の上告を退け、132万円の賠償と文書の配布差し止めを命じた二審判決が確定した。
昨年11月の大阪高裁判決は、同社が一審判決後も民族差別的な文書の配布を続けたほか、女性を非難する社員の意見を載せた資料を配ったとして、賠償額を一審の110万円から増額した。同社が東証1部(現在はプライム)の上場企業であることを挙げ「民族的な出自に基づく差別的思想が醸成されないよう配慮することが社会的にも期待される立場にもかかわらず、怠った」とした。
原告女性は、在日韓国人の3世として日本で生まれ育った。最高裁決定を受けて取材に応じ「差別をしないよう会社に求めた判決が確定し、ほっとしている」と喜んだ。今後も同社で働き続けるといい「これで終わりではない。会社には過去のことを受け止め、変わって欲しい」と話した。
原告側の代理人弁護団も「最高裁は、人種間の分断が強化されることがないよう、使用者自らが配慮する義務があるとした控訴審判決を支持した」と指摘。「あらゆる職場の使用者は、差別的言動や思想良心の自由を脅かす言動を行わず、差別的思想が醸成されることのないよう求める」とする声明を公表した。
フジ住宅は「主張が受け入れられなかったことは極めて遺憾だ。原判決でも、社員に対する差別的扱いがないことは認められている。今後も当社の経営理念に沿って、社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために経営していく」とのコメントを出した。(安井健悟)
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