https://www.asahi.com/articles/ASQ9B5WGRQ9BPCVL004.html 法隆寺、聖徳太子をたたえる「聖霊会」 初めて国立文楽劇場で
奈良の法隆寺で営まれる重要な法要の一つで、聖徳太子をたたえる「聖霊会(しょうりょうえ)」が10日、大阪市の国立文楽劇場で初めて披露された。622年に亡くなったとされる太子の1400年遠忌(おんき)(回忌)を記念して企画された。法隆寺の僧侶10人が節の付いたお経「声明(しょうみょう)」を唱え、雅楽団体「南都楽所(がくそ)」が舞楽を奉納した。
聖霊会は太子の命日の法要のことで、毎年3月にあり、「お会式(えしき)」とも呼ばれる。仏教で世界の中心にそびえるとされる「須弥山(しゅみせん)」を模した「大山立(おおやまたて)」という左右一体の供物をお堂に飾る。10年に1度の節目には「大会式(だいえしき)」として大規模になる。昨年は4月に1400年遠忌法要を営んだ。
この日、太子を描いた掛け軸や大山立が舞台に飾られた。雅楽が響くなか、僧侶らは、観音菩薩(ぼさつ)の化身として人々を救う太子をたたえる「太子和讃(わさん)」などを唱えた。南都楽所は、太子が好んだと伝わる「蘇莫者(そまくしゃ)」などを舞った。