雨宮氏の若い頃は、その後の中央銀行でのキャリアを彷彿(ほうふつ)させるエピソードばかりではない。都立青山高校2年の時には、趣味のクラシック音楽に熱中して化学の試験で赤点を取ったこともある。音楽家の道を歩むことを夢見たが、音楽系大学の入試願書を親が全て内緒で捨ててしまい、断念せざるを得なかった。
夢を諦めて入った東京大学経済学部では、数理経済学の分野で先駆的な業績を上げた故宇沢弘文教授の薫陶を受けた。1学年上の現米プリンストン大学教授の清滝信宏氏や、現学習院大学教授の宮川努氏らも同門だった。経済学を生かそうと日銀に入行。今では9人の政策委員以外で最も影響力のある筆頭理事として、企画局のほか、日々の金融市場調節を担う金融市場局など中枢部署を束ねる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-11/OGTS5Z6K50XZ01