「ロシア経済協力相」是非めぐり迫る野田氏 首相は廃止に慎重姿勢
岸田文雄首相が出席した8日の衆院予算委員会の集中審議で、「ロシア経済分野協力担当相」の是非をめぐるやりとりがあった。安倍政権で新設されたポストだが、ロシアへ経済制裁を続けることとの矛盾が、野党から指摘された。
政府は2016年、日本企業にロシアへの投資を促す8項目の経済協力プランを提案。経済協力をテコに、北方領土問題を含む平和条約交渉を進めようと大臣ポストを新設した。ロシアのウクライナ侵攻後は経済協力は凍結されている。
立憲民主党の野田佳彦氏は「実務もないのに、なぜ大臣を置き続けるのか」と質問。経済制裁を担当する経済産業相が兼務していることの矛盾も指摘した。
首相は「協力プランに沿って投資を行ってきた日本企業に情報提供や相談対応を行い、円滑な撤退などを支援する必要がある」と説明。野田氏が「撤退担当がなぜ大臣ポストであり続けるのか。G7(主要7カ国)の結束が大事なときに、経済協力担当大臣を置いているのは『二枚舌外交』に映らないか」と迫ったが、首相は「日本企業の対応について様々な支援を行っている。こういった考え方に基づいて、ポストを用意している」と繰り返し、廃止に慎重な姿勢を示した。
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