米フロリダ州で、博士課程で化学を専攻する中国系の学生が、集合住宅の同じ棟の住人が騒音を出すとして、
その住人の部屋に毒物を流し込んでいたとみられる事件が発生した。学生は警察に逮捕された。
中国系学生のLは天津大学を卒業し、マイアミ大学で修士号を取得した後、南フロリダ大学の博士課程に入学したとされる。
学生の部屋の上の階にある部屋には、2022年6月に新たにAさんとその妻が入居した。Aさんの妻はすぐに女児を出産した。
Lはしばらくして、Aさんに対して、ドアを閉める音や足音、便座を動かす音などの騒音で眠れないと苦情を訴えるようになった。
AさんとLは、数カ月にわたりテキストメッセージをやりとりして問題を解決しようとしていたという。
しかしAさんが部屋の貸し手と共に試験をしたところ、騒音はほとんど発生していないとの結果が出た。
Aさんは、騒音は出ていないのに言いがかりをつけられているとも思うようになった。
しばらくしてAさん一家はいずれも体調を崩し、いつもぼんやりとして、嘔吐(おうと)を繰り返すようになった。
そして今年5月には家に来た友人に、妙な化学臭がすると言われた。
そこでAさん一家は業者を呼んで配管など各種施設や電化製品を点検したが、異常は見つからなかった。
消防士にも点検してもらったが、やはり異常は見つからなかった。
Aさんは、室内をこれだけ調べても原因が分からないのだから、悪臭は部屋の外からもたらされた可能性があると考えた。
Aさんは6月になり、ドアの外に置いている鉢植えに隠しカメラを取り付けた。
すると、Lがドアの外にしゃがみこんで、注射器を使ってドアのすき間から何らかの液体を注入している様子が映っていた。
Aさんが警察に通報したことでLは逮捕された。
警察の専門家がLが使った液体を調べたところ、オピオイド(アヘン)系の鎮痛剤であるメサドンとヒドロコドンを含んでいることが分かった。
いずれも治療に使うことができるが、中枢神経に影響を及ぼし依存症を誘発するので、専門家による厳格な観察と管理の下で使用せねばならない薬品だ。
Lは保釈金を支払うことで釈放されたが、12月5日には出廷せねばならない。
Lの代理人である弁護士によれば、Lは罪を認めることを拒否し、「事件の真相はすぐに明らかになる」と語ったという。
Aさんは、有害物質に繰り返しさらされた1歳の娘に長期的な影響が出ることを心配している。Aさん一家は心の傷を負ったとして、別の部屋に引っ越す考えだ。
犯行の動画
USA TODAY @USATODAY
Xuming Li was charged for allegedly injecting chemicals under his neighbors’ door in a long-standing feud.
午前7:58 · 2023年8月26日
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