資材価格や人件費の高騰などを受け、会場建設費は当初想定の約1・9倍の最大2350億円に増額となる。国、大阪府・市、経済界の3者が3分の1ずつ負担する。税金を投入して建設費を増やす以上、準備の遅れを取り戻し、何としても成功に導かなければならない。
大阪・関西万博のテーマは、健康寿命の延伸や共生社会の実現をうたう「いのち輝く未来社会のデザイン」。平均寿命が世界一で健康意識の高い日本からこうしたテーマを発信することで、人類の福祉に大きく貢献することが求められる。
来場者数は2820万人と見込まれている。会場では、次世代型の移動手段と期待される「空飛ぶクルマ」の商用運航や、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞シートを使った「動く心臓モデル」などの展示が予定されている。外国人観光客の増加や経済成長につなげたい。
ただ現状では、万博を盛り上げる機運が十分に高まっているとは言えない。背景には、大阪を地盤とする日本維新の会が岸田政権との対決姿勢に傾斜し、安倍、菅両政権時代と比べて官邸とのパイプが細くなったことがある。自民党内には今後の各種選挙に向け、万博の成功で維新が得点を稼ぐことを懸念する向きもあるようだ。
政府の責任で成功させよ
だが、こうした事情で準備に遅れが生じるようでは困る。万博は国を挙げてのイベントである。政府が責任を持って成功させなければならない。
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