ニホンザル 薬として食べた地域も
2024/5/1 14:00
写真家・内山りゅうの和歌山ネイチャーフォト 哺乳類編
ニホンザルは全国に広く分布する日本の固有種。ただし北海道と沖縄には生息しない。サルの仲間はわれわれヒトも含め霊長類と呼ばれるが、世界の霊長類の分布はほぼ熱帯地方から温帯地方であり、ニホンザルはその北限にあたる。
ADVERTISEMENT
雪だるまを作って遊んだり、温泉に入ったりするニホンザルは英語で「Snow Monkey(スノー・モンキー)」と呼ばれ、世界から見れば特別な存在である。野生のサル類が生息しない欧米諸国の人たちにとって、こうしたニホンザルの行動はなおさら興味深いものだろう。
県内のある地域で興味深い話を聞いたことがある。それはサルを食べる文化(猿食(えんしょく))が残っていたことだ。肉を食用にするというよりも漢方薬のような使い方をしていた。サルの肉を肉と同量の塩に漬け込み、その肉を薄く削ってお湯に入れて飲むというもの。たいそう臭いというが、腹下しの薬としては効き目がすごくあるらしい。
現在は有害駆除の許可が下りない限り、本種は狩猟鳥獣の対象から外されているため狩猟はできない。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASS51129SS51OXIE01DM.html