世界のトヨタが実践する「捨てる技術」。仕事ができる・できないは、デスクを見ればわかる
やるべきは「整列」ではなく、「整理整頓」
ここまでのことを前提に「仕事ができる人になりたい」と思うのなら、まずは「整理整頓」を心がけましょう。ただ、この整理整頓にもコツがあります。
たとえば、「部屋に散らかっている本を整理整頓してください」と言われたら、みなさんならどうしますか? 多くの人が、本を並べて寄せて重ねてと、とりあえずは目に入るすべての本を本棚に詰め込むのではないでしょうか。でもそれは、「散らかっている物を綺麗に並べる」ことを意味する、単なる「整列」をしたに過ぎません。
たしかに、散らかっているときと比べれば必要な本を探しやすくなるでしょう。でも、本の冊数自体は減っていないのですから、結局、探し物に時間がかかる問題は解消されないままなのです。
必要なのは、整列ではなく整理整頓です。私がかつて所属していたトヨタグループでは、「要否を判断して不要な物を捨てる」行為を「整理」、そうして残った必要な物を「使いやすく配置する」行為を「整頓」と明確に定義していました。
自分なりの「捨てる基準」を設定する
しかし、捨てるという行為には、思いのほか大きな心理的負担がともないます。ひとつひとつの要否を検討し、いちいち「よし、捨てるぞ!」と決断していては、時間だけでなく精神的エネルギーも浪費してしまいます。そこで、あらかじめ「捨てる基準」を設定しておきましょう。以下を参考に、自分なりの捨てる基準を定めて機械的に捨てるようにすれば、心理的負担を軽減しつつ効率的に整理できるようになります。
「ミニマリストになるべき」とまでは言いませんが、このように、自分なりの「捨てる基準」をもって日常的に整理しておけば、探し物に無駄な時間を費やすことがなくなり、重要な業務に集中できるようになります。その結果、仕事ができる人に近づいていけるのです。
https://studyhacker.net/takuya-mori-interview02