もし私が、今20代だったら、どうしただろうとも思う。私が若い頃ももちろん美容整形をする友人はいたが、注射1本で鼻が高くなるような施術もなかったし、レーザーなどで肌が引き締まるとか、肌が白くなるとか、そういうハードルの低さは美容整形にはなかった。でも今は、そういう選択肢が目の前にある。日本でも今は月々2000円のローンを組めば二重になれる、鼻が高くなる、顎が細くなる、美肌になれる……など、ありとあらゆることが選び放題な世界だ。そうやって苛烈な美容業界は淡々と、選択肢はありますよ、さぁどうします?と私たちに「選ばせよう」とする。資本主義は容赦なく、私たちに「新しい私」を買わせようとする。いくらの化粧水を使うか、月に何度髪の毛を染めるか、マスカラを何本持つか、新しいアイシャドーをいくつ買うか、美白クリームにいくらまで出すか……そんな選択の山を、私たちはサバイブしている。
久しぶりに韓国行こう、美容の旅にしよう!な、気軽な旅ではあった。私が打った皮膚レーザーの結果は1カ月後に出るというので、それは楽しみだし、出てもらわなくちゃ困る、という思いではいる。それでも、友人から聞いた若い女性の言葉が、耳から離れない。「私はかわいくなりましたか?」。なぜか、とても悲しい。